ガーダ パレスチナの詩[DVD]

MX-280S

4,180円(税380円)

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大地 自由 平和 夢…歌うことが希望をつなぐ

●タイトル
ガーダ パレスチナの詩

●発売・販売元
マクザム

●発売日
2007年10月26日(金)発売 

●品番・価格
MX-280S ¥3,800+税

●規格
カラー/スタンダード/片面2層/106分/音声:1.オリジナルアラビア語 他〈ドルビー・デジタル・ステレオ〉
字幕:1.日本語字幕 2.英語字幕
映像特典:ガーダからのメッセージ 他/セルDVD特典:劇場用パンフレット縮小版(30P)封入

●製作年・国
2005年・日本

●ジャンル
ドキュメンタリー

●権利元
(C)2005 安岡フィルムズ/アジアプレス・インターナショナル

●スタッフ
撮影・監督:古居みずえ
製作:安岡卓治『A』『A2』、野中章弘
編集:安岡卓治、辻井潔『Little Birds-イラク 戦火の家族たち-』
編集協力:小西晴子、松林要樹、木村茂之『私をみつめて』

●解説
パレスチナとイスラエルを巡る問題は複雑で、長い歴史的な背景を持っており、日本人にとっては理解し難い側面がある。本作は主人公のガーダ・アギールを通じ、戦火にさらされながらも大らかにたくましく生きるパレスチナの人々の姿を、女性の視点から描いた傑作ドキュメンタリーである。
1988年7月、ひとりの女性ジャーナリストが戦火のパレスチナで取材を始めた。古居みずえ、当時40歳。37歳の時、原因不明の病に冒され、1ヶ月後には歩行器なしでは動くこともできなくなる。その時古居は、これまで自分の人生に真剣に向き合ってこなかったことを悔やんだ。奇跡的な回復を遂げた彼女は「一度きりの人生。何かを表現したい」と、それまでのOL生活を捨て、女性ジャーナリストとして自らの人生を大きく転換させる。93年、古居はパレスチナ・ガザ地区の難民キャンプで、当時23歳のガーダと出会う。封建的な社会の中で、自立する道を模索する彼女に興味を抱いた古居は、ガーダにカメラを向けた。以来12年間、記録された映像は500時間以上。そこから完成させた本作では、ガーダの結婚、出産、そして彼女が失われた故郷を求める様子が描かれている。古居との出会いを通じてジャーナリズムに目覚めたガーダは、48年のイスラエル建国に伴い、故郷を奪われたパレスチナ人の体験と暮らしについての取材を始める。相手は祖母と同じ年代の女性たちだ。パレスチナの豊かな自然を背景に映し出される、歌い継がれてきた素朴な詩歌。そして逆境と呼ぶにはあまりにも過酷な状況を乗り越えながら生きる、原初的ともいえる彼女たちの生命力は、鮮やかな色彩を放ちながら、我々に“生きる”ということの実相を投げかけてくる。
封建的な男性社会であるパレスチナにおいて、ここまで女性たちの実像に密着した作品は、古今例がない。また老女たちが披露する詩歌は、言語学的、文化人類学的にも極めて貴重であると言われている。そういった意味でも本作は、女性である古居だから撮影する事が可能だった、貴重な映像の宝庫だと言える。

●物語
パレスチナ人女性ガーダ・アギールは、ガザ地区難民キャンプで生まれ育った。ガザ地区南部は古い慣習の残っている地域だ。そんな中で、自立心の強いガーダは伝統的な結婚式を拒否しようとし、今までのやり方にこだわる母親や友人、婚約者の母親とぶつかっていく。1996年ガーダは最初の子、ガイダを出産。その後も、旧来の習慣にとらわれない新しい生き方を貫いていく。2000年、パレスチナではイスラエルの占領に対する抵抗運動(インティファーダ)が始まる。親戚の13歳の男の子カラムの死をきっかけに、母親として気持ちを揺り動かされたガーダ。同時に彼女は、パレスチナ人としてのアイデンティティに目覚める。心に蘇ってきたのは、幼い頃祖母から聞かされた故郷の話や歌だった。ガーダは年配の女性たちに、聞き取り取材を始める。イスラエル軍によって家を壊され、テント暮らしを余儀なくされた100歳になるハリーマ・シュビーア。イスラエルとの国境で農業や放牧を続けるウム・バシーム。彼女たちによって語られる、故郷を追われた人々の苦難の歴史とは…。

●古居みずえ プロフィール
1948年、島根県出身。フォトジャーナリスト。アジアプレス・インターナショナル所属。JVJA(ビジュアル・ジャーナリスト協会)会員。1988年よりパレスチナのイスラエル占領地を訪れ、パレスチナ人による抵抗運動・インティファーダを取材。パレスチナの人々と生活を共にする中で、特に女性や子どもたちに焦点をあて、取材活動を続けている。93年にはボスニア・ヘルツェゴビナ、98年にはアフリカのウガンダ、インドネシアのアチェ自治州、2000年、02年にはタリバン政権下とタリバン崩壊後のアフガニスタンを訪れる。イスラム圏の女性たちの取材や、アフリカの子どもたちの現状を取材、NHK教育「ETV特集」、NHK総合「アジア人間街道」、NHK-BS1「日曜スペシャル」「BS23ワールドニュース」、テレビ朝日「ニュースステーション」「報道ステーション」他、新聞、雑誌などで発表。
また、ニコンサロン、コニカプラザなどで写真展を開催。2005年には第1回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞 DAYS審査員特別賞を受賞。
著書に『ガーダ 女たちのパレスチナ』(岩波書店)、『インティファーダの女たち パレスチナ被占領地を行く』(彩流社)、写真集に『パレスチナ 瓦礫の中の女たち』(岩波書店)など。

●受賞歴&映画祭
●2006年 第6回石橋湛山記念早稲田ジャーナリスト大賞 公共奉仕部門受賞
●2006年 第12回平和・協同ジャーナリスト基金賞 荒木なみ子賞受賞
●2006年 テヘラン・ファジル国際映画祭 正式招待
●2006年 香港国際映画祭 正式招待
●2006年 レフュジー・フィルム・フェスティバル 参加
●2006年 KAWASAKI しんゆり映画祭 参加
●2005年 プサン国際映画祭 正式招待

●セールス・ポイント
・イスラエル建国から60年…2008年、節目の年を控え全世界の注目を集めるパレスチナ問題に、全く新しい視点から光をあてる傑作ドキュメンタリー!
・渋谷UP LINK X、名古屋シネマテーク、大阪シネ・ヌーヴォを皮切りに全国劇場公開!
 全国30ヶ所以上で自主上映会開催、今後も続々拡大!!
・TBS「News23」(06年5月25日)、NHKワールドTV「WHAT’S ON JAPAN」(06年7月1日)、NHK総合「おはよう日本」(06年12月7日)、NHKラジオ第一「わくわくラジオ」(07年1月24日)にて紹介、テレビ朝日「徹子の部屋」(06年7月19日)に古居監督出演!
 漫画『絶望に効くクスリ』(作:山田玲司)にも登場!
・劇場公開に合わせて「朝日新聞」「毎日新聞」「読売新聞」「東京新聞」「産経新聞」「日本経済新聞」「週刊新潮」「AERA」「SPA!」「Newsweek」「STUDIO VOICE」「この映画がすごい!」「日本映画navi」「広告批評」「婦人公論」「pumpkin」「InRed」など大量パブリシティ展開!
・「Weeklyぴあ」(06年6.1号)で公開初日の観客満足度平均点84.6点を記録!
・古居みずえ著「ガーダ 女たちのパレスチナ」「パレスチナ 瓦礫の中の女たち」(以上、岩波書店刊)「インティファーダの女たち-パレスチナ被占領地を行く」(彩流社刊)他関連書籍好評発売中!!
・総撮影時間500時間超!12年に及ぶ取材の総決算!!製作・編集は『A』『A2』『ゆきゆきて、神軍』の安岡卓冶!

●著名人コメント(順不同)
・渡辺えり子さん<女優>
 パレスチナの人々は、よく笑い、歌い、ユーモアがあり、明るい。まるで、私の古里の家族や親戚の親しい人々とそっくりである。何の罪もない私の家族が、一人ずつ殺され、家を破壊され、長年愛でてきた畑や果樹園を突然に破壊されてしまったとしたら。そしてそれが何十年も続いていたとしたら。
 これは私たちにとてもよく似た家族の現実である。そして、あきらめずに生きようとする私たちにとてもよく似た女性たちのドキュメンタリーである。古居みずえさんの勇気とダイナミックな優しさに震えが止まらなかった。古居さんの感性は私たちが女性であることに誇りを持たせてくれる。涙が溢れ、怒りが込み上げるが、何度も笑った。とにかく見てほしい。わたし達が空気のように感じている当たり前の日常がどれほど恵まれたものであるか。そして誰にもその日常を奪う権利はない。なんとかしなければ。しかし、その前にこの宝石のような映像を見て欲しい。
・根岸季衣さん<女優>
 監督の古居さんと主人公ガーダに導かれ、まるで親戚の家のような居心地で聴かせて貰える幾つもの愛おしい唄、歌、詩....聴き惚れているうちに最後には字幕が涙で見えなくなりました。愛や生活を綴った素朴な歌達は、民族を越え、そして戦火さえ越えて、こんなに凄い説得力で胸に響くものなのですね。
 新聞に載る遠くの国の掴みどころのない話が、自分の故郷の事のように痛く感じられるようになりました。
・丹下紘希さん<映像ディレクター>
 「もってのほかです」とガザ地区に行きたいと願った僕たちはコーディネーターにたしなめられた。ただでさえ二重にも三重にもイスラエル軍の検閲を通過しなければたどり着けない状況下なのだ。ジャーナリストでもない僕たちが簡単に入れる場所ではない事は現地の様子から伺い知る事が出来た。なので最初の感想は本当によくこれが完成したものだ、と単純に感心した。しかも12年という歳月。古居さんはその間何度となく自らの命も危険にさらして困難に立ち向かった事であろう。それだけでも貴重なのだが、貴重な故にこのドキュメンタリーを「パレスチナ問題の教科書」として観ないでほしい、と願う。
 なぜならここに描かれているのは一人の女性が当たり前のように結婚を前にして揺れ動き、恋をして、子供を産む、という当たり前の日常だからだ。それはまったくもって我々の日常と変わらない。ただ、その日常の中には当たり前のように戦時下である、ということも含まれている。ただそれだけなのだ。ただそれだけだから衝撃がある。それは同じ人間がこの地球上で起こしている事実として衝撃なんだ。
・坂手洋二さん<劇作家・演出家>
 人々の生活と情愛の交叉する場所に撃ちこまれる銃弾。このような視点でなければ見えてこない戦争の真実だろう。パレスチナの人々の、あの独特のまなざしの秘密に、この映画を観ることで少し近づくことができたような気がする。
・森達也さん<ドキュメンタリー映像作家>
 女の情感こそが、もしかしたらこの世界を変える可能性を持つのかもしれない。

●『ガーダ パレスチナの詩』公式サイト◆◆◆http://www.ghada.jp